エンジニアがフリーランスになる時にやっておくべきことは?

フリーランスになるということは、今まで給料から自動的に引かれていた税金や年金も、自分で申告しなくてはいけなくなります。
それ以外にも、エンジニアがフリーランスになる際にやっておくべきこと、やっておいたほうが良いことはたくさんあります。

ここでは項目別にやっておくべきことを紹介しています。
意外とやってしまえば簡単だったということも多いので、是非参考にしてみてください。

フリー
フリーランスになったら、本業であるエンジニア業務に集中したいなー。
先生
フリーランスになると、会社員のときよりも自分でやらなくてはいけないことが増えます。
あとで大変なことにならないためにも、計画的に準備をしましょう。

在籍していた会社に返却するもの受け取るもの

退職する際に会社に返却するもの

●健康保険被保険者証
一般的に保険証といわれているもので、フリーランスになると、普通は会社の健康保険から国民健康保険に切り替えます。
出勤最終日に返却するか、有給などで出勤最終日と退職日が離れている場合はその間に保険証を使えるので、退職日を過ぎてから郵送などで会社に返却しましょう。

退職する際に会社から受け取るもの

年金手帳以外は退職してから郵送する会社が多いです。
また、申請しないともらえない書類もあるので、忘れずに申請しましょう。

●離職票
会社を退職したことを証明し、失業給付を受給するときに必要な書類です。
フリーランスとして働く場合は、国民健康保険への切り替えの際にも必要になります。

●健康保険資格喪失証明書
会社の健康保険から国民健康保険に切り替える際に必要になります。

●雇用保険被保険者証
雇用保険に加入したことを証明するもので、失業給付を受給するときに必要な書類になります。
退職後に失業保険をもらってしばらくゆっくりしようと考える人もいますが、一定の収入がある場合は失業給付は受けられません。
また、フリーランスとして活動するのが初めての人はどういった案件を獲得できるかわからないので、失業保険を当てにするのではなく、できれば在職中に次の仕事を見つけておいたほうが良いでしょう。

●源泉徴収票
確定申告や失業給付を受給するとき、また住宅ローンの事前審査の際などに必要になります。
確定申告はフリーランスになると自分で行うことになるため、忘れずに受け取りましょう。

●年金手帳(会社に預けている場合のみ)
厚生年金から国民年金に切り替える際に必要になります。

書類イメージ

フリーランスになる前にやるべきこと

ポートフォリオ、職務経歴書の作成

案件を受注する際に今までの経験や保有スキルを証明するには、ポートフォリオと職務経歴書が非常に大切になってきます。
これをきちんと作成するかしないかで、案件の受注率が大幅に変わってくるでしょう。
以前のの記事でも書きましたが、エンジニアがフリーランスになるには、まずきちんとしたポートフォリオをつくりましょう。
案件受注率アップ!フリーランスエンジニアはポートフォリオで差をつけよう

名刺の作成

フリーランスとして活動する際には、自分の名刺は絶対に必要です。
ラクスルなどで低価格で名刺は作ることはできます。
デザイナーなら自分のデザインで個性的な名刺を作って会う人に渡せば、後々仕事の依頼がくる確率が高くなるかもしれません。
フリーランスになるのなら、名刺のような小さなことでも、できるだけ自分を売り込むということが大切です。
名刺ができるまで数週間かかる場合もあるので、正社員の人は在職中に名刺を作っておきましょう。

住宅ローンなど高額ローンの申し込み

フリーランスになると会社員に比べてローンが通りにくくなります。
会社員のうちにローンが組めるものは組んでおいたほうが良いです。
ただ、フリーランスとして定期的な収入の見込みがない場合は、高額なローンはやめておいたほうが無難です。

住宅ローンイメージ

クレジットカードの申し込み

こちらもローン同様、会社員に比べるとクレジットカードは作りにくくなってしまいます。
特にフリーランスでの実績がまだなく、収入も少ない人はカード会社の審査に落ちてしまう確率は高いでしょう。
フリーランスとして3年以上の実績があったり、収入証明書で一定額以上の収入があるというのを証明できれば問題ありません。
クレジットカードは何かあったときに1、2枚は持っておいたほうがよいので、持っていない人は会社員のうちにとっておくことをおすすめします。

銀行口座の作成

フリーランスになると仕事の受注先が複数になることが多いですし、仕事とプライベートの口座を1つにしてしまうと、確定申告の際に非常にややこしくなってしまします。
今はネット銀行もあり、すぐに口座開設することができますので、仕事専用の口座を作って収入支出を管理するほうが絶対良いです。

フリーランスになってすぐやるべきこと

開業届と青色申告承認申請書を提出

フリーランスになって避けて通れないのが確定申告です。
確定申告には青色申告と白色申告がありますが、副業ではなくフリーランスとしてやっていくのであれば青色申告のほうがよいでしょう。
理由としては、最大65万円の特別控除や家族への給与を経費にできるなどのメリットが多いからです。
青色申告を利用したいのであれば、「開業届」と、「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
ですので、フリーランスになったらまず「開業届」と、「青色申告承認申請書」を税務署に提出するということを覚えておきましょう。

在籍していた会社の健康保険から国民健康保険に切り替え

会社を退職した後には、国民健康保険に切り替えるのが一般的です。
切り替えには離職票や退職証明書等が必要で、お住まいの地域の市区町村役所か国民健康保険窓口に行って手続きをします。
退職後14日以内に手続きをしなければならないので、忘れないようにしましょう。

ただ、退職した後も会社で働いているときに加入していた健康保険組合を任意継続することもできます。
国民健康保険と比べてそれほど負担額は変わらないですが、どちらが良いかは人によって変わってきます。
詳しい金額を知りたい人は、所定の市区町村役場で試算してもらうと良いでしょう。

また、Webデザイナーやグラフィックデザイナーでフリーランスになる人は、保険料は収入に関係なく定額の文芸美術国民健康保険の加入もできます。
高い収入を得ているクリエイター系フリーランスとっては、保険料を低く抑えられますので是非チェックしてみてください。

厚生年金から国民年金に切り替え

会社員の場合は厚生年金が給料から引き落とされているところがほとんどで、厚生年金の半額は会社が支払っています。
フリーランスになると会社に所属していないので、全て自分で支払うことになります。

フリーランスだと厚生年金は入れないので、代わりに国民年金に切り替えるのが一般的です。
こちらも退職後14日以内に、所定の市区町村役所か国民健康保険窓口に行って手続きをしなければなりません。

その他フリーランスになったら、やっておきたいこと

税理士への依頼、会計ソフトの用意

今は「freee」や「弥生」などの会計ソフトを使えば、質問に答えるだけで簡単に確定申告作業が完了します。
また、金額が多い人や法人設立した人は、税理士に依頼するのもよいでしょう。
依頼料はかかりますが、なにより自分のエンジニアとしての作業時間を取られないですみますし、税金のプロなので節税についても詳しく教えてくれます。

人脈を広く持つ

フリーランスになると、今ある仕事が半年後にはどうなるかわかりません。
もちろんエージェント経由で新しい仕事を探していくというのもいいですが、いろいろな人と関わることでそこから仕事に繋がることもあるので、人脈を広く持つということを心がけたほうが良いです。

セミナーや勉強会に参加する

フリーランスになると、誰かから技術を教えてもらうというのが極端に少なくなります。
今はネットでコードなり参考となるデザインを調べられますが、最新のスキルを身につけるという意味ではセミナーや勉強会に参加するは有効になるでしょう。

国民年金基金、個人年金の加入

フリーランスになると、会社員のように何かあったときに守ってくれることもないですし、もちろん退職金もでないです。
稼いだ金額をすべて使うのではなく、将来のために積み立てるというのも一つの方法です。
現在は貯金しても利子がわずかですので、国民年金基金や個人年金をして積み立てるということを検討しても良いかもしれません。

確定申告について

確定申告は、毎年2月から3月に税務署に書類を完成させて提出しなければなりません。
自分で確定申告するのが面倒なので、フリーランスになるのをためらっているという人もいるでしょう。
ただ、確定申告はやってしまうとそんなに難しいことではなく、要は収入と支出(経費)をきちんと計算して税務署に申告すればよいのです。

フリーランスになると仕事に関わるものが「経費」として計上できます。

エンジニアが経費として認められるもの

・外注費
・パソコン購入費用(全額または一部)
・スマートフォン料金
・プロバイダ料金
・サーバ代
・ドメイン代
・参考書
・家賃の一部
・電気代の一部
・セミナー費
・打ち合わせに使う飲食代 etc.

上記に挙げたように、仕事に関するものはほとんど経費にすることができます。(詳しくは職業ごとにいろいろ調べてみてください)
このようなものを経費として扱えるのは、フリーランスの大きなメリットと言えます。
ただし、それを証明するものがないと税務署も判断ができないので、領収書や請求書はきちんと保管していく習慣をつけるようにしてください。

フリー
フリーランスになったら、やることがたくさんあるね。
先生
そうですね。フリーランスとして仕事を受注したら、エンジニアとしての本業も忙しくなります。
フリーランスになる前にできるものは、計画的に進めていきましょう。